60年代イギリス軍の従事医療部隊が使用していたガウンコート。

ダブルの前合わせやスタンドカラーの襟元、ベルトで締めるディティール等の男っぽさの中にミニマムな雰囲気が共存する特徴的な一着。

 

そこにRAKINESのエッセンスでより着やすく、より上品に現代的に構築したギミックが光るコート。

 

前をキチッと合わせて、襟を閉じた時、クリーンな中に少し色気も感じる見栄え。

襟をラフに開いて倒した時の荒っぽく凛々しさのある見栄え。

その両方が全然違うコートの様に表情が変わります。

 

ゆとりのある身幅をウエストベルトでギュッと締めて。

肩からドレープを倒しながら力強く、前方にグッとカーブする、立体的な袖と締め上げたウエストのセクシーな佇まい。

カッコ良いです。すごく好きなんですね。この見え方。

 

そして生地もすごく特徴的。

 

制服やユニフォーム等、限定されたシチュエーションで活躍する素材が放つ個性。

ワークツイルのハリ感、タフで使い勝手の良い機能性。

 

でもそれだけじゃ上質なものにはならない。

そこから、さらに、何等級も上へ。

 

３種の厳選された糸を組み合わせて作り上げられた、ワーク素材にはあり得ないエレガントな揺れ感や柔らかな生地の膨らみ。

ファッションとして通用する美しさ、力強さを持つ上質な生地に引き上げたRAKINESの意欲的素材です。

 

そしてこの３種の糸。

実はそれぞれが異なる糸にトップ染されてる。

絶妙にずれる色同士が絡み合って生まれるのは、真っ黒じゃない、複雑に混ざり、サイレントに光る、未知未曾有多次元ブラック

 

重厚感と雰囲気がとても出ている良い色、してますよ。

 

モチーフはマニアック寄りだけど、見栄えはシンプル。

それを上質なお洋服に変えるための拘りがたくさん詰め込まれたとても良いコート。

個人的にも大好きな一着。あなたにも楽しんでほしいな。